うしろめたいゲーム

2012.01.05 TEXT


角都の古くからの知人が暇つぶしにと玩具をくれた。黒い樹脂製の小箱はただのゲーム機だったのだが、知人の思わせぶりな口調にいかがわしさを嗅いだ角都が相棒に隠れてそれを起動させてみると、はたしていかにも不道徳な裸女の画像とともにプログラムが開き、凌辱したい相手の容姿と音声のサンプリングを求めてきた。情報は多ければ多いほど良い、ということになれば選択肢は自ずと限られ、角都は身近にいる相棒のデータをプログラムに入れてみた。寝顔や全裸、行為中の声まで入力した甲斐あって、できあがったゲームはそら恐ろしいほどの出来となった。プログラムは対戦型ゲームの体裁を取っており、プレイヤーの容姿はいろいろと選択できるが、対戦相手は「凌辱したい相手」に限定され、プレイヤーはさまざまな方法で相手を攻めることができる。小さな箱の中で「凌辱したい相手」は暴力を振るわれるたびに呻いて喘ぎ、最後には決まって猟奇的な方法で犯され、プレイヤーが満足するまでくねくねと身悶えながら際限なく絶頂に達した。角都はこの玩具を気に入り、相棒が同じゲームで遊んでいるのを見るまではたいそう熱心に遊んだものだった。