虫に虫よけ

2010.08.15 TEXT

表ハキダメの「痒いところに届くもの」の続きです。表で削除されましたのでこちらに回します。まったく裏らしくない話なのですが…^^;





昨夜オレたちはエッチに励み、楽しい夜を過ごした。最高だった。体力的に劣るオレが落ちても、そのたびに角都が痛気持ち良く覚醒させてくれた。奴の歯と唇の感触を思い出すだけで腰が痺れてくる。難を言えば虫がうじゃうじゃいたことだろう。奴らのおかげでいい思いもしたけれどいなきゃいない方がいい。なので、今夜もやるぞ超スゲーの!とやる気満々だったオレは移動途中の店で虫よけスプレーを買い、今日の野営地が決まるとさっそくそれを全身にふきかけた。親切心で角都にもかけてやろうとしたオレはそこで思いがけない拒絶にあう。なんだそれは、と実に嫌そうな顔をした相棒はせっかくふいてやった霧を手で払う。虫よけだと、無駄なものを買うなバカ、蚊遣りで充分だろうが。その上奴はオレの顔やら首やらをくんくん嗅いで、お前ひどいにおいだぞ、と言いだす。その人工的なにおいを落とすまで俺に近づくな、わかったらさっさと寝ろ、昨日の寝不足を取り戻さなくてはならん。…オレはそれでもちょっかいを出してみたけど、不機嫌な相棒に頭をちぎられそうになってしぶしぶ諦めた。そういうプレイも悪くないけど相棒がその気になってくれなきゃちぎられ損だ。使い道のなくなった虫よけスプレーをオレは腹立たしく弄ぶ。元はと言えば蚊の奴らが悪いのに、オレがエッチできない間、奴らはそこらじゅうでエッチしまくっているに違いない。だからオレはそのへんを飛んでる蚊の奴らをめがけて薬品を吹きかけてやる。あたりに人工的なレモンのにおいが漂い、相棒が不機嫌そうに鼻を鳴らす。オレは構わず蚊に向けてスプレーを撃ち続ける。相手がいるのにひとり寝を強いられる辛さをどいつもこいつも思い知るがいい。














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