反動形成

2009.11.27 TEXT

さくま様からのリク「すげかえ」による小話です。





相手の増援部隊がやってきてウザイ数になったので、角都は飛び込んでいったオレの背後から術をぶっぱなした。ブワッゴッバリバリといういつものあれだ。賞金首がいなかったからだろう、角都は景気良く攻撃を奮発し、オレが鎌でつかまえて足止めした大将はもちろん大勢いた連中がみんな一気にいなくなった。もろにそれを食らったオレもバラバラだ。服もボロボロ。まあここまでは良かったんだ、いつものことなんだから。角都がオレを心臓の一匹に寄りかからせて座らせ、拾い集めてきたパーツをつなぎ始めたとき、足りないものがあることに気がついたオレは初めてうろたえた。オイオイオイ角都、大事なもんがねーぞ。角都もちらっとそこを見たが、別に探しに行くでもなくのんびりと縫物を続けている。角都、オレのナニがねーって言ってんだろ、さっさと見つけてこいよコラ。騒ぐオレをよそに角都は破れた腹なんかをつくろい続ける。別に無くて困るものでもあるまい。いやマジ困るってェ!タマは残っているぞ。タマだけじゃ立ちションできねーだろが!しゃがんですればいいだろう。冗談じゃねーぞエッチはどーすんだよエッチはァ!オレがギャンギャンわめいていると角都はさもうんざりしたように横を向き、たまたま近くに転がっていた誰かの死骸からナニをちぎり取ると、その色の悪い萎れたものをオレの股にぺちゃりとくっつけた。なんて気持ち悪いんだ!当然オレはギャオーと悲鳴を上げた。手足がもげていなかったら大暴れしたに違いない(つーか手足があったらオレは自分で足りない部分を探しに行っただろう)。けどオレは肉ダルマ状態だったしウワーとかギャーとか叫ぶことしかできなくて、そしたら角都がちょっと慌てたようにその気持ち悪いしろものをぽいと投げ捨てて立ち上がり、長い間そのへんをうろうろしてから戻ってきた。どうにか探しあてたらしいものをオレの下腹にあてがって縫いつけながらブツブツ言う。ガキめ、こんなことで泣く奴があるか。泣いてねーよ!とオレはわめく。頭に血が上ると目も赤くなんだよテメーそんなことも知らねえのかバァーカ!うるさい殺すぞと唸った角都はくっつけたナニをくいくいと引っ張って、ほらついたぞこれでいいだろうと言い、オレがしぶしぶ頷くと、本当に小さな声でぼそりと呟いた。世話の焼ける野郎だ、少しからかっただけで大騒ぎしおって。オレは下唇を突き出して不快を表明しながら、ともあれオレのもとへ戻ったナニを眺めた。見るも無残なありさまだけど、オレは治りが早いからきっとすぐに使えるようになるだろう。角都は次にぼろきれみたいになった腕を拾い上げてめちゃめちゃになった骨を整え、くっつける準備をしている。あれをつけてもらったらさっそくナニをいじってみなければ。まずは角都を殴ってからだけどな。













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