嘘くさいが本気の告白

2009.12.21 TEXT

こあん様からのリク「石橋を叩きすぎて渡れない」による小話です。こあん様、いつもありがとうございます。






エッチのたびに角都は「呆れた奴だまたいくのか」とか「こんなところがよほどいいらしいな」とかオレをバカにする言葉を繰り返す。奴の言うことを気に病むほどオレは初心じゃないが、何度も何度も言われるとイラッとしてくる。役割を交代したら角都だってそうのんきにしてられないはずなんだ、あそこをこすられると頭がおかしくなるほど気持ちいいんだから。腹いせに、角都を好きなようにしながら「また出たぜ、テメーよっぽどこれが好きなんだな」なんて言っている自分を想像したらひどく興奮してきたので、オレはそのまま一発抜いた。抜いたあとはヒューって感じでホントに白々しい。儀式とエッチとの大きな違いだ。儀式はやればやるほど気持ちいいけどエッチは白ける。そんなことを発見したオレは、ちょっと実験する気になった。抜けるだけ抜いていけば角都と合戦になっても白けたまんまでいられるんじゃなかろうか。で、オレより先に奴がおしまいになったら「もう終わりかよォ」とバカにできるかもしれない。オレはしまいかけていたナニを握り直し、目的に向けて励んだ。さっき済ませたばかりだからけっこう難しい。アジトの自分の部屋の壁を見ていても面白くもないので、オレはベッドに座って目をつぶり、昨夜のことを思い浮かべた。昨日の角都はいつもより少しだけ優しかったのだ。じわじわ首を絞めながらマジに苦しくなるまでキスをしてくれて、こっちがもがいている間にあちこちに指を伸ばし、苦痛と快感を同時に楽しめるようにしてくれた。思い出しているうちにオレはすっかりその気になり、ガンガン飛ばし始めた。よっしゃーいったぜ!念を入れてもう一回だ!まだ続いている昨夜のイメージに引きずられ、オレは一人ではいじったことのないケツに手を伸ばす。後ろから指を入れ、もう片手で前をしごき、うまいこと三連発を決めたオレは恐ろしくだらしない格好でベッドにひっくり返って満足のため息を漏らし、さて相棒の部屋に行ってやろうかと目を開いたら当の角都がそこにいた。オレはマヌケな格好のままでかたまった。いつからこいつはベッドの脇に立っていたんだろう?どうやってごまかす?蚤がケツの穴に入っちまって、というのは言い訳になるのか?頭だけを必死に働かせているオレを、角都はじっと見おろしてポツリと呟く。昨夜あんなにしてやったというのに一日持たないとは、なんという野郎だ。もぐもぐした声を聞いて、初めてオレは角都がショックを受けているらしいことに気づいた。思いがけず角都に仕返しをしてしまったオレはネトネトする手をズボンで拭いながら一所懸命に誤解を解こうとする。違う足りないんじゃねー、オレはいつだってお前でいっぱいいっぱいだ、こんなことをしたのは今夜もお前と過ごすためなんだぜ、愛してる、だからそんなツラすんな角都。けど角都の眉は下がっているし肩までなで肩になる始末だ。こんなことなら三発も抜くんじゃなかった、角都が乗ってきてもオレはちゃんとこたえられるんだろうか。不安を無理やり押しやって、心なしかションボリと見える相棒にオレは早口でまくしたてる。聞けよ角都、オレぁテメーを愛してるっつってんだろ、テメーがその気ならいつでもエッチしてぇしいつでもイける、マジ本気で愛してんだ、なあ聞けってェ!
















Secret

TrackBackURL
→http://ecrits2.blog.2nt.com/tb.php/16-8a196442