聖夜舌禍

2009.12.23 裏鶴

当ハキダメのお客様であるたっこ様が、なんとなんとすばらしいお話を書いてくださいました。舌ピのオーラル、という要素だけで私は転げまわってしまうのですが、角都の暴力を受けて感じる飛段が仲良く喧嘩している、ラブラブ話でもあります。ぜひごらんください。たっこ様、すてきなプレゼントをありがとうございました^^






いつも、どうやって新しい痛みを教えようかと手ぐすね引いて待つ俺に、
クリスマスには何くれんだよぉ、としつこく言ってくるとは愚かな男だ。
使えない相棒に何を与えるべきか、等と俺に考えさせさえしなければ、
こんなことにはならなかったというのに。



■聖夜舌禍



クリスマス当日、特に出かける仕事もなく、帳簿整理をしていると、
畳でだらだらしていた飛段が
「そーいや今日クリスマスだぜ。何かくれよ角都」
と言うので、袖口から出した小箱を投げてやった。
まさか何か貰えるとは思っていなかったらしく、一瞬きょとんとした飛段は、
「何だよこのちっちぇ箱。ケッコンユビワかよ」と上機嫌になったが、箱を開けた途端がっかりした顔をした。
中にはシンプルなチタン製のピアスが一つ、入っていただけだった。
ケチくせぇな、一個だけなんてしょぼくれてやがる、リーダーに笑われるぜ。
と気だるげに言う飛段を手招きし(奴は起き上がらずに匍匐でやってきた)。
つけてやる。と御座に飛段の頭をのせる。
ところが奴はおとなしく膝枕をされておきながら、
ケチがうつるから嫌だ。俺にはジャシン様のペンダントで十分だとのたまった。
じたばたと暴れるのを鼻をぎゅっとひねり、腕から出した触手を両の耳孔に突っ込み、
顎と首をホールドすると飛段は大人しくなった。では舌を出せと言うまでは。


「はぁあああ!?」
「お前が意味を知っていたことが驚きだ。」
「いやいやいやテメーがそんなことしようとすんのが驚きだろうが。このド助平爺!大体、俺の舌にピアスついてんの他のメンバーが見たら引くだろォ。ぜってーヤダ。旅先でだって初対面の奴にだって、俺が角都のチン○しゃぶんの大好き☆って宣言してるみてーだろーが。」
「お前は下手だからな。こんなものでも無いと俺がイけない。」
「っよく言うぜ。あんだけ盛っといて。とにかく嫌だ。ぜってー嫌だからな。」


ため息をつく。ではしょうがない。
馬乗りに押さえつけ、盛大に殴ったり折ったりしていると、
打ち所が良かったのか脳震盪でも起こしたらしく、
おうと言ったきり飛段はずるりとのびた。
俺は血が溢れる飛段の口中から真っ赤な舌をつまみだし、
舌が反射的に喉を詰まらせないようにしっかり固定した上で、
消毒しておいたニードルで穴を空け、ピアスを付けてやった。
ブツリ、と肉が裂かれた時、尻の下で体全体がびくりと跳ね、舌が蛇の腹のようにうねった。


「ひっ、う・・・」
「飛段」


飛段、と声を掛けるが、目を薄く開き、血を流す舌先をしまうこともせず奴は転がっている。
後頭部を打ち付けた時、面倒な部位を潰したのだろうか。
どちらにせよもう30分もすれば蘇って罵詈雑言の嵐だろう。
それよりも、どさくさに肌蹴た生っちろい胸に血が点々と付いているのが気に入らない。
死体のように無造作に転がって、時々びくびくと手足を震わせているのも気に入らない。
そのだらしない体と卑猥な顔を見ていると、つい手が出てしまうではないか。
かくして30分間俺は退屈せずに色々と致し、
意識が戻った飛段が怒声を上げて飛び起きるまで楽しんだのだった。


目覚めた途端、怒りと、痛みで・・・
かくず、てめーやりやがったな、目茶目茶いてぇ、色ボケジジィめ、今直ぐにてめえ呪ってやる、
シンゾーぜんぶ引きずり出して潰してやる・・・というような意味のことを舌足らずに叫ぶ相棒は、
俺が色々してしまったせいで、若干前屈みなのが可笑しかった。


「何笑ってんだよ!」


ガチ、と俺の頚動脈を狙って噛み付いてきた奴の歯が音を立てる。
寸前で避けたが。本気で儀式用の血液を得るつもりらしい。

「黙れ、下手くそめ。」


歯というのはこうやって使うのだ。
俺は相手の銀髪を鷲づかみに後ろへ逸らせ、空いた手で首を絞めた。
暫く抵抗していた飛段はやがて苦しさに大きく口をあけた。
俺はそれを機に深く口付けた。
垂直に貫通した金属と、既に腫れ上がっている舌を、ガツガツと噛んでやった。
真新しい傷口を舌で良いだけ穿った後、
じゅ、と音を立ててきつく吸い上げると口中に鉄の味が広がった。
腕を回して退路を塞いでいた腰がびくびくと動く。
この反応。いつか換金所の壁に押し付けてしたときも、コイツは同じように震えて吐精していた。
あの時も手や足が欠けていたというのに派手にイッっていたのを思い出す。
痛みのたしなみ方に関して、こいつは本当に素晴らしい。
俺に貪られるために生まれてきたような体だ。


すっかり力を無くした飛段の体から腕を離すと、ずるずると床にへたりこんだ。
うなだれたまま、くそ、イテェと言って血反吐を吐いた。
俺は中腰になって飛段の舌を調べ、ちゃんとピアスが装着されていることを確認した。
舌が俺の指を押し返すように蠢き(抵抗しているつもりなのかもしれない)
丸い金属のかすかなアタリを伝える。


「プレゼントは気に入ったか?」
「楽しそうに笑いやがって・・・誰の為のプレゼントだよ。」


飛段が更に悔しそうに言いつのろうとするのを制止し、
下穿きから取り出したそれを口元にあてがう。


「舌を使ってみろ。」


うまく出来たら・・・。と言い掛けて俺は黙った。
何も約することもない、相棒は既に耳までのぼせていて(キス如きで軟弱な奴だ)
俺の、半ば起ち上がったソレから顔を逸らしても、視線を逸らせないでいる。
血で紅を引いた唇を閉じもせずに。
物欲しげな様子にかっとなり、後ろ髪を掴んで引き寄せ、咥えさせた。


「うっ、っ、んんぐ・・・」


チロチロとぎこちなく舌が這い回り、ソレが血まみれになっていく。
飛段は意地のように目を閉じず、苛立ったような目で睨み上げてくるが、疼痛に目が水っぽい。
痛みの走る部位を庇おうとする舌の動きと、血液で腫れ上がった口腔の狭さと熱さがいつもと違っていた。
口中の体温で熱くなった硬い小さな球の触れ方は不規則で、俺は気を逸らせるために細く息を吐いた。
俺の下半身にうつむいて揺れている銀髪をくしゃ、とかき混ぜ、同色の睫を何となく弄る。

頭が悪く従順でない相方にここまで仕込むのにどれほど血を流したことか。
歯を立てるなと教えたり(飛段自身に歯を立てて教えてやったのだ)、
舌使いを一から教える間、隙があれば俺の一物を噛み切ろうとする相方は
その都度俺に殴られ、蹴られ、骨まで潰されることも毎回だった。
噛み千切ろうとする時は下手に引き抜かず、
硬化したモノで喉奥まで突き入れて荒らす、という正しい躾をしたせいで、
ようやく最近、えづかずに喉奥で動かせるようになって来たところだ。
今度はもっと喉で締めることを教えなければならんな、と思っていると
口を離した飛段が、ハァ、顎外れる、ちょっと休憩させろよ、と言うが、
俺はその言葉を無視し、頭を掴んで根元まで咥えさせた。


「さぼるな。練習しなければ上手くはならん。」


その後も色々させ、適当な所で満足したので、喉奥で飲ませて俺は終了した。
まだまだだという理由をつけ、飛段の方はズボンの上から踏んで終わらせた。
本当に引き出しの多い男だ。
俺の足指に無造作に踏まれ喘ぎながら、畜生、覚えてろよ、と言う。
覚えておいてやる。俺が言うと、奴は身を折って吐精した。
 
















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