延々と

2010.02.09 TEXT

こあん様のリク「執行猶予」「黙秘権」による小話です。Hが執行猶予、Kが黙秘権で。こあん様、いつも楽しいリクをありがとうございます。





H:
なあ角都ゥ、と奴の脇の下に潜り込んでみたら、座卓に向かっていた相棒がいきなり怒り出した。貴様のせいでまた書き損じたぞ、これで二度目だ、もう我慢できん。一度目の時に注意してくれりゃいいのにとかまだ二度目じゃんとか言いたいことはいろいろあるけど角都がこうなったらもうダメだ。まあ殴られるのもそう悪くないと思って構えていたら、角都はさもバカにした顔でフンと言い、お前まったく反省していないだろう、と言いだした。愚か者を構っている暇はない、だが仕置きはしてやろう、お前これから三日間俺に触れるな、触れたらお前とのコンビを解消する、わかったな。オレは呆れかえった。こいつどんだけ自信過剰なんだろう!別に角都にさわれなくてもオレは痛くも痒くもない、三日どころか一週間だってへっちゃらだ。ずいぶん自分を高く見積もったもんだなオイ、とオレは冷笑的な気持ちになり、相棒から離れて自分の布団の上にひっくり返った。そのままオレは転寝をしていたらしい。のしり、と圧迫感を覚えて目を開くと角都がオレの上に四つん這いになっていた。いつもの調子で奴の首にまわそうとした腕を、角都がぴしゃりと叩き落とす。お前からは触れるなと言ったはずだ。え、そんなのアリかよ?ずるくねえ?文句をいう間にも角都は舌やら手やらでいろいろしてきて、しばらくたつとオレは早いところグズグズになりたくてたまらなくなってしまう。目の前に角都の厚くて丸い肩がある。いい具合に硬くてしっかりしていて中の筋肉がぐねぐね動いてあったかくて汗が浮くとちょっとしょっぱくて、ぶら下がったり舐めたりすると楽しい部分だ。でも三日間はあれにさわれない。こんなときに限って角都は殴ったり捩じったりせずに時間をかけてやわやわとオレを扱うもんだから、オレは気を散らすことができず、懸命に敷布団を握りしめる。と、角都がオレの両脚をぐいと持ち上げてつながってきた。膝が曲がって、持ち上げられた脚のふくらはぎが角都の肩に触れる。飛段、触るなと言ったろう、そんな簡単なことも守れんのか。ハァー?!ちょ、それ、ムリ!喚き返している間にも角都が動くので、オレの体のあちこちが角都に当たってしまう。こんなことでコンビ解消ってあるんだろうか。パニックになったオレはとっさに縛ってくれと角都に頼む。おい角都、テメーにぶつかっちまうオレの体を全部縛れ、オレにゃどうすることもできねえ、頼むから縛ってくれ。全部か。ああ全部だ。本当に全部縛っていいんだな。いいっつってるだろーが、早くしろ!それで角都は体からにゅるにゅる出てくるあれでオレを縛った。手足の他にナニも縛られた。角都に当たるんだそうだ。思ったよりも大ごとになってきた。三日間が短いのか長いのか、今のオレにはよくわからない。




K:
拘束した四肢をそれぞれの方向へ引っ張り、伸びきった関節部の皮膚の柔らかい方を舐めたり吸ったりしてやると、相棒は腹筋を波打たせて唯一自由に動かせる首を左右に振った。きつく俺を銜えこむ器官がもぐもぐと食むような動きをする。一瞬我を忘れて俺は目を閉じ、息をつめる。大して動きもしないまま持っていかれてしまったことを悟られないよう俺はわざとゆっくりと相棒に口づけ、その間に自分をある程度回復させることに成功したが、ほっとしている俺にデリカシーのない相棒が尋ねる。あれ、オメーいったの?なんか中がヌルヌルするぜェ。この質問には答えなくていいだろうと俺は判断し、縛ってねじ曲げてある相棒の急所を指でなぶる。ギッ、と苦しげに唸った相棒がほとんど動かない腰をよじると、結合している部分から相棒の主張するヌルヌルがあふれてくるのが俺にも伝わってくる。こんな状態になりながらも動けない相手に俺はいたく興奮し、開かれた股に鼻息荒く腰を打ちつける。そのまま全身を駆使して欲に忠実にあちこちをいじりまわしていると、まるでうわごとのように相棒が快楽を口走る。言葉とそれに続いて漏れる声に、俺はまたもや目を閉じる。なんということだ、俺としたことがまさか声にもっていかれてしまうとは。少年の日のような恍惚の後に目を開けば、前には四肢を伸ばし充血した急所をねじ曲げ、心なしかぐったりして見える相棒。頬を軽く叩くと上を向きかけていた鴇色の瞳がどうにか俺の方を向く。そろそろ限界かもしれない。俺は相棒の拘束を解いて抱き起こし、対面座位に持ち込んでから急所も解放してやる。相棒はぶるりと震えて出すものを出すと、空気が抜けたようにこちらの肩に頭を預け、しばらくじっとした後に、何を思ったかまたもやあの禁断の問いを口にした。やっぱオメーオレより先にいったろ、正直に言えよ、なあ。言うべきことはいろいろあるだろうによりによってそれを言うとは。このまま寝かせてやるとするか、と殊勝なことを考えていた俺だが、余計なことを言う口はふさがなければならず、口をふさげば次にすべきことも決まってくる。こちらの肩に勝手に触れた罰と位置づけて、俺は乱暴に腰を使い始め、ゲームを強制的に振り出しに戻す。俺自身が定めた期間は三日間だが、相手の態度が悪ければ期間はその限りではない。幸いこの宿は安い。連泊しても大した痛手にはならないだろう。
















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