ショートタイム・おまけ

2008.11.05 TEXT

4日に拍手の連打をいただいて、ソリャッと勢いで打ちました。いろいろ辻褄があっていません(;_;)

下品な話。顔にかけています。






 もう蛇はうんざりだった。誰かが蛇を「長すぎる」と言っていたけど、あれは本当だ。長すぎる…とにかく体に入れるものじゃない。なのに角都はそれを今度はオレの尻の間に押しつけている。腹に直接入れられるよりケツの方がマシかもしれないが(とりあえず一本道になっているから)キモいことに違いはないし、なんだかさっきのオマケみたいにケツを狙われるのも腹が立つ。
 オレは尻に力を入れ、角都と蛇が諦めるのを待った。蛇は嫌がっている。この中で一番まっとうなのは蛇かもしれない。こんなことに巻き込まれて気の毒だ。しかし角都が諦めない。
「往生際が悪いぞ、飛段」
「そりゃてめーだろーが、コラ!」
 蛇じゃなくて角都がいい、なんてことは意地でも言いたくなくなった。オレと角都はケツの穴を隔てて頑張ったが、埒があかないと思ったらしい角都は別の手を使ってきた。



 多分片腕でオレの脚を抱え、片手に蛇を大事に持っていたからだと思う。奴はマスクを下ろすとオレのナニをぱくりと咥えてきた。触手だったらそんなに驚かないが、口にダイレクト・イン、だ。オレは仰天し、ヒョォォォと妙な声をあげてしまった。
 以前オレは角都のを咥えたことがある。だからあれがものすっげぇヘンテコにマズイということを知っている。角都のだから咥えたけど、他の奴のだったら無理かもしれない。それを角都が平然とやってのけることに、まずびっくりした。しかもヤバイぐらい気持ちいい。さっき抜かれてなかったら即イったかもしれなかった。
「そんな、こと、よく、てめー」
「尺八のことか。お前のならいつでもしてやる、気が向けばな」
 こんなときにキスをしてくる奴の気が知れない(つい今しがたナニを入れてたその口でだ!)。しばらくするとだらしなく降参してしまったオレの体に異物がゆっくりとねじ込まれた。



 ケツに何か入れるのはとても不自然な感じがする。もともと出すための器官に入れるってのがきっと間違えているんだろう。以前どっかのクソヤローに掘られたときはとにかく痛えし屈辱的だった。今日の相手は角都(正確には蛇)だから屈辱は感じないし、さっきまでオレの腹の中にいた蛇はぬるぬるしていてそんなに痛くもない。けど気持ちは悪い。角都だって楽しくもないだろうに、いったい何がしたいのか。
「おい、もう抜けよ…気持ちわりーんだよ」
「そうか」
 角都はどうでもよさそうに答えながら蛇を更に押しこみ、ついでにオレの中途半端なものをいじった。
「抜けって…さわんなバカ!」
「お前にバカ呼ばわりされるとはな…」
「なんだとォ!バーカ!スケベジジィ!バーカ!」
 声が裏返りそうで言葉を切る。さっきから下腹に痛みが走るのだが、それがだんだん痛みではなくなってきていた。オレは大きく息を吸って吐いた。一回だけのつもりが止められなくなり、ハアハア言いはじめたオレを角都は眺めた。
「よくなってきたか」
「くそ…だれが…」
 混乱してきた。これは入れた方だけが気持ちいいんじゃないのか?前のクソヤローのときはそうだったから、オレはそのように学習していた。まあオレは角都が気に入ってるし、そんな奴が相手なら違うかなという期待はあった。でも、蛇が相手なのにこのザマってのはどうなんだ。



 とにかくこれは喧嘩の延長だったから蛇を尻から生やしたままオレは相棒を罵っていたが、だんだん呂律が怪しくなり、次第に自分でも何を言ってるのかわからなくなってきた。酔っ払っているみたいに目が眩み、ときどき凄まじく気持ちが良くなって息ができなくなる。やり過ごしても、しばらくたつと波のようにそれが来る。
「角都ゥ…」
 目の前に相棒の肩があったので顔を埋めて名を呼んでみると、今まで体重がかかっていた腕が急に楽になった。体が地面に落ちないのは抱えてもらっているからなんだろう。
 ヘロヘロでよくわからないが、なんだか角都が優しいし、今オレたちいい雰囲気なんじゃねーかという気がしてきた。だるい腕を相手の首に回してまた呼んでみたら、尻から蛇が引き出されてきた。入れたときより性急な動きだったかもしれない。そのせいか、もうすぐ自由になる蛇に内部を咬まれてオレはのけぞった。



 たいした大きさの蛇じゃなかったのに痛みはハンパなかった。毒のせいかもしれないが、びっくりしたのはそれがとんでもなく気持ちよかったってことだ。オレは歯を食いしばった。体が痙攣すると中の蛇も締め付けられたのか痛みが深くなり、それと一緒くたになって快感が背筋を脳天まで突き抜けた。あんまり凄すぎて脳が焼き切れる、と思った。
 余韻で震えながら目を開くと、すぐ前に角都のあっけにとられた顔があった。片頬に白いものがついてる。多分オレが放ったやつだ。おかしくなって笑うと角都の顔がみるみる赤黒くなった。むちゃくちゃ怒ってる。笑いが止まらない。
「怒んなよ角都、かけて悪かったってェ。おめーが蛇なんか入れるからこんなことになるんだぜ」
 顔を寄せて舐め取ってやると角都の赤黒さが増した。酸っぱいものを食ったようなツラをしている。それがまたおかしくて笑っているうちに毒が効いてきて目の前が暗くなってきた。
 今から道中を急ぐんなら角都は一人でいろいろ後始末をしてオレを担いで行かなきゃならないらしい。おいオレのこと丁寧に運べよ、と痺れた口で言ったら顎を思い切り殴られた。これは休めと言われているんだろうと判断し、重たくなった頭と手足を相棒に預け、オレはとりあえず目を閉じた。
 














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